中国から仕入れた商品が他社の商標権や意匠権などを侵害していると、税関で「輸入してはならない貨物」として止められ、没収の対象になります。2022年10月1日からは、個人で使う目的でも、海外の事業者から郵送などで送られてくる模倣品は輸入できなくなりました。この記事では、知的財産侵害物品の規制のしくみと、仕入れる前に確認したいポイントをまとめます。
- 商標権などを侵害する物品は、関税法第69条の11で「輸入してはならない貨物」とされています。
- 2022年10月1日から、海外事業者が郵送などで送る模倣品は個人使用でも輸入できません。
- ロゴ・キャラクター・有名商品そっくりのデザインは、仕入れる前に必ず確認しましょう。

知的財産を侵害する物品は「輸入してはならない貨物」
特許権・商標権・著作権などを侵害する物品は、関税法第69条の11で「輸入してはならない貨物」と定められ、税関が水際で取り締まっています。対象となる権利は次のとおりです。
| 対象となる権利など | 主な例 |
|---|---|
| 商標権 | ブランド名やロゴを無断で付けた商品 |
| 意匠権 | 登録されたデザインをまねた商品 |
| 著作権・著作隣接権 | キャラクターやイラストを無断で使った商品 |
| 特許権・実用新案権 | 特許になっている仕組みを無断で使った商品 |
| 回路配置利用権・育成者権 | 半導体の回路配置、植物の品種など |
| 不正競争防止法の一部の行為 | 有名な商品の形や表示をまねた商品など |
中国輸入で特に多いのは、ブランドロゴの入った商品やキャラクター商品など、商標権や著作権にかかわるものです。輸入禁止品全体については「中国輸入の禁止商品」の記事でも紹介しています。
2022年10月から「個人使用」でも止められるようになった
2022年10月1日から、海外の事業者が郵送などで送ってくる模倣品(商標権または意匠権を侵害するもの)は、個人で使う目的でも輸入できなくなりました。税関の案内では、この場合の模倣品は没収の対象になるとされています。
一方で、輸入する人に事業性がある場合、つまり販売するために輸入する場合は、輸入者が罰則の対象になります。ネットショップで販売するための仕入れは、まさにこの「事業性がある」輸入です。
「知らなかった」「安かったので買っただけ」でも、模倣品は輸入できません。税関の案内では、没収された場合の商品代金の返金に税関は対応しておらず、購入した通販サイトに問い合わせるよう案内されています。
税関で止められたときの流れ
税関が模倣品と思われる物品を見つけると、知的財産侵害物品に当たるかどうかを判断する「認定手続」が始まります。
- 税関から輸入者へ、認定手続を始めることが書面で通知されます。
- 侵害物品ではないと考える場合は、そのことを示す書類を提出して主張できます。
- 侵害物品と認定されなければ、輸入が許可されます。
- 侵害物品と認定された場合は、没収などの対象になります。
手続の間は商品が手元に届かないため、販売の予定にも影響します。止められてから対応するより、仕入れる前に確認するほうが確実です。
仕入れる前に確認したい5つのポイント
模倣品を避けるには、商品ページを見た段階で次の5点を確認することが効果的です。
- ロゴ・ブランド名:商品本体、タグ、パッケージに有名ブランドの名前やロゴが入っていないか。
- キャラクター・イラスト:アニメやゲームのキャラクター、有名なイラストが使われていないか。
- そっくりなデザイン:人気商品と形や柄がほとんど同じではないか(意匠権の侵害になる場合があります)。
- 価格:ブランド品なのに相場とかけ離れて安くないか。
- 自社ロゴの商標:OEMで自社ロゴを入れる場合、そのロゴや商品名が他社の登録商標と似ていないか。特許庁のデータベース「J-PlatPat」で調べられます。
なお、税関の案内では、権利者から輸入の許可を得た物品や、商標権などを侵害しない並行輸入品は輸入できるとされています。ただし、並行輸入に当たるかどうかの判断は簡単ではないため、ブランド品の仕入れは慎重に考えましょう。
確認の方法を表で整理
5つのポイントは、商品ページと権利のデータベースを見比べることで確認できます。手間はかかりますが、仕入れの前に一度だけ確認すれば済むものがほとんどです。
| 確認すること | 確認の方法 |
|---|---|
| ブランド名・ロゴ | 商品写真を拡大し、本体・タグ・パッケージ・付属品まで見る。説明文に有名ブランド名が書かれていないかも確認する |
| キャラクター・イラスト | 柄やプリントに、見覚えのあるキャラクターが入っていないかを見る |
| デザインの類似 | 日本の通販サイトで同じジャンルの人気商品と見比べる。形・柄がほぼ同じなら仕入れを見送る |
| 商標の登録 | 特許庁のデータベース「J-PlatPat」で、商品名やロゴに似た登録商標がないかを調べる |
| 販売店 | 評価が高く、取引実績のある店舗かを確認する |
青山代行の仕入れ代行でも、実績のある大きな店舗や評価の高い商品を選んで購入するようにしています。ただし、商品が権利を侵害していないかの最終的な判断は、販売するご本人が行う必要があります。判断が難しい場合は、弁理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
「売れている商品にそっくりな商品」ほど、権利の問題が起きやすくなります。売れ筋をそのまままねるのではなく、色・サイズ・セット内容・パッケージなどで自社らしさを出す工夫が、長く売れる商品づくりにつながります。商品の探し方は「中国輸入の商品リサーチのやり方」で紹介しています。
青山代行ではコピー品・非正規品は取り扱いません
青山代行の仕入れ代行では、コピー品・非正規品はお取り扱いできない商品としています。自社ブランドの商品づくり(OEM)では、ロゴ入れやパッケージ変更のご相談も承っています(検品・梱包・OEMのページ)。
「この商品は仕入れても大丈夫?」と迷う商品があれば、買い付けの前にお問い合わせまたはLINEでご相談ください。小ロットのOEMについては「中国OEMの小ロット・ロゴ入れ」の記事も参考になります。
よくある質問
自分で使うだけなら、中国から模倣品を買っても大丈夫ですか?
いいえ。2022年10月1日から、海外の事業者が郵送などで送る模倣品(商標権・意匠権を侵害するもの)は、個人で使う目的でも輸入できず、没収の対象になります。
税関で没収された商品の代金は返ってきますか?
税関は返金に対応していません。税関の案内では、商品を購入した通販サイトに問い合わせるよう案内されています。
OEMで作った自社ロゴの商品なら問題ありませんか?
自社ロゴでも、他社の登録商標と似ている場合は問題になることがあります。特許庁のデータベース「J-PlatPat」などで、事前に似た商標がないか確認しておくと安心です。
まとめ
商標権・意匠権・著作権などを侵害する物品は、関税法で「輸入してはならない貨物」とされ、税関で止められます。2022年10月からは個人使用でも、海外事業者から送られる模倣品は輸入できません。ロゴ・キャラクター・そっくりなデザイン・不自然に安い価格は、仕入れる前に必ず確認しましょう。迷う商品は、買い付けの前に青山代行へご相談ください。
出典:
税関「2002 知的財産侵害物品の輸入規制(カスタムスアンサー)」
税関 知的財産ホームページ「海外から送られてくる模倣品の取締りを強化します(令和4年10月1日施行)」

