個人輸入と商用輸入(販売目的の輸入)の違いは、「自分で使うために輸入するか、売るために輸入するか」です。個人で使う物には、関税の計算で海外の小売価格に0.6を掛ける特例がありますが、販売目的の輸入には使えません。この記事では、2つの違いと、売るために輸入するときに気をつけることを、税関と厚生労働省の案内をもとに説明します。
- 個人輸入は、自分で使うために海外から直接買うこと。商用輸入は、売るために輸入することです。
- 海外小売価格×0.6で課税価格を計算する特例は、個人的に使う貨物だけが対象です。
- 個人輸入した医薬品や化粧品などを、ほかの人に売ったり譲ったりすることは認められていません。

個人輸入とは?
個人輸入とは、自分で使うために、海外の通信販売会社やお店、メーカーなどから直接買うことです。税関のカスタムスアンサーでは、法令上の定義はないとしたうえで、一般的に次のように説明されています。
外国の製品を個人で使用することを目的として、海外の通信販売会社、小売店、メーカー等から、個人が直接購入すること
これに対して、ネットショップなどで販売するために中国から商品を仕入れる場合は、販売目的の輸入(ここでは「商用輸入」と呼びます)になります。
個人輸入と商用輸入の違い(一覧)
個人輸入と商用輸入では、税金の計算と、守るべきルールが変わります。主な違いは次のとおりです。
| 個人輸入(自分で使う) | 商用輸入(売るために輸入) | |
|---|---|---|
| 目的 | 自分で使う | 販売する |
| 課税価格の0.6の特例 | 対象になる場合がある | 対象外 |
| 1万円以下の免税 | 課税価格の合計1万円以下は関税・消費税が免税(一部の品目を除く) | 同じ基準で判断される(一部の品目を除く) |
| 医薬品・化粧品など | 決められた数量の範囲で、自分で使うことを前提に輸入できる | 販売には法律にもとづく許可などが必要 |
| 日本で売るための表示 | (売らないので)不要 | PSE・品質表示・原産国など、商品に応じた表示が必要 |
大事なのは、「最初は自分で使うつもりで買った」としても、売るなら販売目的の扱いになることです。迷ったときは、最初から販売目的として準備しておくほうが安全です。
「海外小売価格×0.6」の特例とは?
個人的に使う貨物は、関税を計算するときの課税価格を、海外小売価格に0.6を掛けた額にする特例があります。税関のカスタムスアンサー1405では、次のように説明されています。
| 項目 | 税関の説明 |
|---|---|
| 内容 | 輸入者が個人的に使用する貨物は、通常の卸取引の段階で輸入された場合の価格(海外小売価格×0.6)を課税価格とする |
| 海外小売価格 | 原則として、輸入者がその貨物を取得する際に実際に支払った価格 |
| 根拠 | 関税定率法第4条の5・第4条の6、同法施行令第1条の13 など |
この特例は「個人的に使用する貨物」が対象です。販売するために仕入れる商品の税金を見積もるときは、0.6を掛けずに計算しておきましょう。関税と消費税の計算の流れは「中国輸入の関税はどう計算する?」で説明しています。
計算例:同じ2万円の商品でも扱いが変わる
同じ商品でも、自分で使うか売るかで、課税価格の考え方が変わります。海外で2万円で買った商品を例にすると、次のようになります(仮の数字です)。
| 自分で使う場合 | 売るために仕入れる場合 | |
|---|---|---|
| 課税価格の出し方 | 海外小売価格×0.6 | 0.6の特例は使わない |
| この例の課税価格 | 2万円×0.6=1万2,000円 | 2万円をもとに計算(運賃なども含めて計算されることがある) |
| 1万円以下の免税 | 1万2,000円なので対象外 | 対象外 |
※計算の流れを示すための例です。実際の課税価格の決め方は、税関の案内(カスタムスアンサー1104「関税の課税標準」など)で確認してください。
販売目的の商品は、仕入れの数量が多いほど課税価格も大きくなります。仕入れの総額を見積もるときは、税金を必ず入れておきましょう。
1万円以下の免税はどちらにも関係する
課税価格の合計が1万円以下の輸入物品は、原則として関税と消費税が免税になります。ただし、どんな物でも免税になるわけではありません。
- 革製のカバン・ハンドバッグ・手袋、編物製の衣類(Tシャツ・セーターなど)、革靴などは、1万円以下でも免税になりません。
- 1万円以下かどうかは、1回の申告(郵便物は1つの包み)の課税価格の合計で判断します。
- 同じ差出人から同じ受取人へ、同じ時期に分けて送った郵便物は、全体を合計して判断されます。
少ない金額で仕入れを始めるときの考え方は「中国輸入は少額から始められる?」もご覧ください。
個人輸入した物を売ってはいけないもの
医薬品や化粧品などは、個人輸入した物をほかの人に売ったり譲ったりすることが認められていません。厚生労働省の「医薬品等の個人輸入について」では、次のように示されています。
- 輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められない
- ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていない
- 個人輸入として認められる数量の目安:化粧品は標準サイズで1品目24個以内 など
化粧品や医薬部外品を販売したい場合は、個人輸入の形ではなく、法律にもとづく許可などの手続きが必要です。食品・食器・電気製品なども、販売するときは別の法律の手続きや表示が必要になります。くわしくは「中国輸入で仕入れてはいけない商品」で説明しています。
販売目的で輸入するときに準備すること
売るために中国から仕入れるときは、税金だけでなく、日本で売るためのルールも最初に確認しておく必要があります。準備することをまとめると次のとおりです。
- 商品が日本で売れるか確認する:PSE・技適・食品衛生法・品質表示など、商品に関係するルールを確認します。
- 税金を見積もる:0.6の特例は使わずに、関税と消費税を見込んでおきます。
- 書類を保存する:インボイス(仕入書)などの書類や帳簿を保存します。くわしくは「中国輸入に必要な書類とは?」をご覧ください。
- 検品の内容を決める:売る商品なので、日本に送る前の検品を計画します。
青山代行を使う場合
青山代行は、販売のための仕入れを前提に、商品の買い付けから検品・日本への発送までをお手伝いしています。費用の内訳は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代行手数料 | 商品代金の5% |
| 国際送料 | 国際送料の表のとおり(航空便・船便) |
| 関税・輸入消費税など | 発生する場合は、日本側の運送会社から請求されます |
コピー品・非正規品、日本や中国の法律で輸出入が禁止されている商品などは購入できません。総額の目安は費用シミュレーターで計算できます。
よくある失敗例
| 失敗例 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 0.6の特例で税金を安く見積もり、利益が合わなくなった | 販売目的なら特例は使えないものとして計算する |
| 個人輸入した化粧品をそのまま販売しようとした | 化粧品などは販売のための手続きが必要。個人輸入した物は売らない |
| 1万円以下なら免税と思ったら、編物の衣類で課税された | 免税にならない品目を事前に確認する |
よくある質問
個人輸入と商用輸入の違いは何ですか?
自分で使うために輸入するのが個人輸入、売るために輸入するのが商用輸入(販売目的の輸入)です。課税価格の0.6の特例は、個人的に使う貨物だけが対象です。
販売目的の輸入でも「海外小売価格×0.6」で計算できますか?
できません。税関の説明では、この特例は輸入者が個人的に使用する貨物が対象です。販売目的の商品は、特例を使わずに税金を見積もりましょう。
個人輸入した化粧品を売ってもよいですか?
認められていません。厚生労働省は、個人輸入した医薬品等をほかの人へ売ったり譲ったりすることは認められないとしています。
まとめ
個人輸入と商用輸入の違いは、自分で使うか売るかです。販売目的の輸入では、課税価格の0.6の特例は使えず、商品ごとに日本で売るためのルールも守る必要があります。販売のための中国仕入れは、無料見積もりまたはLINEからご相談ください。

