HSコードは、輸出入する品物を分類するための番号で、税関の「実行関税率表」で調べられます。番号が決まると、その品物にかかる関税率がわかります。この記事では、HSコードの仕組み、実行関税率表での調べ方、中国から輸入するときの税率の考え方と、迷ったときに使える「事前教示制度」を説明します。
- HSコードは6桁までが世界共通で、日本では3桁を足した9桁の統計品目番号で申告します。
- 関税率は税関の「実行関税率表」で、品目分類と原産地から判断します。
- 分類に迷ったら、税関の事前教示制度で輸入前に確認できます。

HSコードとは何か
HSコードは、品物の種類ごとに付けられた分類番号です。税関の説明では、HS条約にもとづいて6桁目までが世界共通で、輸出入で同じ番号を使います。
日本の輸入申告では、6桁の「号」に3桁の国内細分を加えた9桁の「統計品目番号」を使います。国内細分がない場合は「000」です。
| 桁数 | 呼び方 | 内容 |
|---|---|---|
| 2桁 | 類 | 大きな分類(実行関税率表は21部97類) |
| 4桁 | 項 | 類をさらに分けたもの |
| 6桁 | 号 | 項を細分したもの。ここまでが世界共通 |
| 9桁 | 統計品目番号 | 号に日本の国内細分3桁を加えたもの |
なお、税関の説明では、部や類の表題は参考のためのもので、分類の根拠にはならないとされています。
実行関税率表での調べ方
HSコードと関税率は、税関ホームページの「実行関税率表」で調べます。次の手順で探すと見当をつけやすくなります。
- 商品の材質と用途を整理する:何でできているか(プラスチック・金属・綿など)、何に使うかを書き出します。
- 類(2桁)の見当をつける:材質や用途から、当てはまりそうな類を探します。
- 項(4桁)・号(6桁)を絞る:品名欄を読み、当てはまるものを選びます。項の最後の号は「その他のもの」になっていることが多いです。
- 9桁の統計品目番号と税率を見る:番号の行にある税率の欄を確認します。
同じように見える商品でも、材質や機能の違いで番号が変わることがあります。自分で調べた番号はあくまで目安と考え、確実に知りたいときは後で説明する事前教示制度を使いましょう。
関税率の種類と中国からの輸入
実行関税率表には、同じ番号に複数の税率が並んでいます。税関の説明では、税率は原則として「特恵税率、協定税率、暫定税率、基本税率の順」に優先して適用されます。
| 税率 | 内容 |
|---|---|
| 基本税率 | 長期的な観点から決められた標準の税率 |
| 暫定税率 | 一定期間、基本税率を修正する税率。基本税率より優先 |
| WTO協定税率 | WTO加盟国・地域に適用。暫定・基本税率より低い場合に使われる |
| 特恵税率 | 開発途上国の原産品に、条件を満たす場合に適用 |
| EPA税率 | 経済連携協定の原産地規則などを満たす場合に適用 |
中国からの輸入で関係が深いのは、WTO協定税率とEPA税率です。税関の一般特恵制度の資料にある特恵受益国の一覧には、中国は含まれていません。一方、中国はRCEP(地域的な包括的経済連携協定)の参加国で、中国原産品はRCEPの原産地規則などの条件を満たせば、EPA税率の対象になり得ます。EPA税率を使うには、その協定の原産地証明が必要です。
税関の説明では、課税価格の合計が20万円以下の少額輸入貨物には、実行関税率表の税率ではなく簡易税率が適用される場合があります。関税と消費税の計算は 中国輸入の関税の計算 で詳しく説明しています。
HSコードを調べるときにつまずきやすい点
HSコードで迷いやすいのは、素材が複数ある商品、セット商品、部品です。こうした商品は、関税率表の解釈に関する規則(通則)に従って分類が決まるため、見た目や商品名だけでは判断しにくくなります。
| 迷いやすい商品 | 確認したいこと |
|---|---|
| 複数の素材でできた商品 | どの素材が主か、重さや役割の割合 |
| セットで売る商品 | セットの中で中心になる品物は何か |
| 部品・付属品 | 何の機械・製品の部品か、単体で使えるか |
| 電気を使う雑貨 | 主な機能は何か(照明、充電、加熱など) |
税関は、品目分類の事例や主な商品の関税率の目安もホームページで公開しています。似た商品の事例を探してから、実行関税率表で番号を確認すると見当をつけやすくなります。
迷ったら「事前教示制度」を使う
事前教示制度は、輸入する前に税関へ商品の分類(税番)と関税率を照会できる仕組みです。税関の案内では、内国消費税や他の法令の適用についても照会できますが、これらの回答は参考扱いになります。
| 照会の方法 | 特徴 |
|---|---|
| 文書(原則) | 照会書(税関様式C第1000号)で照会。回答書の有効期間は3年間で、輸入申告の審査で尊重される |
| Eメール | 専用の照会フォームで照会。原則Eメールで回答。条件を満たせば文書照会に準じた扱いに切り替え可能 |
| 口頭(電話・窓口) | 手軽だが、輸入申告のときに尊重されるものではない |
文書で回答を受けた場合でも、照会内容と実際の商品が違う場合や、法令の改正で扱いが変わった場合は尊重されません。新商品を継続して仕入れる予定なら、仕様を固めてから文書かEメールで照会しておくと安心です。
HSコードは何に使うのか
HSコードが決まると、関税率だけでなく、輸入の手続きや費用の見通しを立てやすくなります。中国輸入では次のような場面で役立ちます。
- 関税・消費税の見積もり(利益計算の前提になります)
- インボイスなど書類の品名・番号の確認
- EPA(RCEP)税率が使えるかの確認
- 同じ商品をくり返し輸入するときの申告のブレを防ぐ
通関の流れは 中国輸入の通関の流れ、必要な書類は 中国輸入に必要な書類とインボイス をご覧ください。青山代行の国際送料は 国際送料のページ、商品代・手数料・送料の目安は 費用シミュレーター で確認できます(関税は含みません)。
よくある質問
HSコードは何桁ですか?
6桁までが世界共通です。日本の輸入申告では、6桁に国内細分3桁を加えた9桁の統計品目番号を使います。
HSコードはどこで調べられますか?
税関ホームページの「実行関税率表」で調べられます。材質と用途から類・項・号を絞り込み、9桁の番号と税率を確認します。
自分で調べたHSコードが正しいか確認する方法はありますか?
税関の事前教示制度で、輸入前に分類と関税率を照会できます。文書で受けた回答書は有効期間3年で、輸入申告の審査で尊重されます。
まとめ
- HSコードは6桁までが世界共通、日本の申告は9桁の統計品目番号です。
- 関税率は実行関税率表で、分類と原産地から判断します。中国原産品はRCEPの条件を満たせばEPA税率の対象になり得ます。
- 分類に迷ったら、事前教示制度で輸入前に確認しましょう。
輸入する商品の費用のご相談は、お問い合わせからどうぞ。

